Term46 森久仁彦さんの農地訪問

~地元農業生産者の声を聞く~

犬上郡豊郷町エコファーマー 森久仁彦さん

レポーター 

犬上郡豊郷町ののどかな田園地帯に7棟のビニールハウスがある。森さんの農園である。人情味あふれるその笑顔と話しぶりから初対面とは思えないほど親しみのもてる人であった。  すぐにビニールハウスに迎え入れてくれ、育てているブロッコリーの説明をしてくれた。

 

ブロッコリーについて

私たちが普段食べているのはブロッコリーのつぼみだそうだ。花の状態になると房の部分が菜の花みたいに黄色になり、食べられない。

また、ブロッコリーをはじめとした葉野菜は育てているとき葉は上を向いている。その葉は天然のワックスのように水をはじく作用があり、はじいた水が根に伝わって吸収される仕組みになっている。普段何気なく目にしていた葉野菜の形にそんな仕組みがあるということに驚いた。

実は森さんのブロッコリーは滋賀県立大学の食堂で出されていたのだ。残念ながらインタビュー翌日で今シーズンのブロッコリーの出荷は最後とのことだった。その最後のブロッコリーを親切にもお土産に頂いた。

 

エコファーマーとしての取り組む農業

森さんは「環境こだわり農産物」の栽培にも取り組んでおられる。認証には減農薬などが必要であり、トマト栽培の際にはクロマルハナバチを使った受粉を行っている。これには大変な苦労があるそうで、ハチを教育したりする必要があるのだという。時には刺されることもあるのだとか。

また、農薬の量を減らすため、生産量が減ってしまう。このように認証を得るための努力も伺うことができた。米(コシヒカリ、みずかがみ)、トマト、いちじくで認証を受けている。そしてこのような努力の末、県から2006年に湖東地域で最初のエコファーマーに認定された。

 

森さんの地域での活動

森さんは農家としての一面だけではない。地域の消防団員としても活躍されている。なんと、インタビュー3日前にも火災現場に出動したそうだ。消防団員としての様々なエピソードも語って頂いた。森さん自身が鎖と呼ぶ無線機も見せて頂いた。これが管轄の地域を知らせれば迷わず出動するのだという。そう語る姿は地域を守るのだという使命感と責任感に溢れていた。他にも彦根警察署から子供安全リーダーに任命され、県警交通部長からの委託で近江通学路交通アドバイザーもしておられる。インタビュー中には、地域の子供たちからからかわれ、冗談で返している姿もあった。いつも地域を見守る優しい森さんの姿がうかがえた。 そんな森さんは実は10年間自動車の整備士をしていたのだという。今は農業を初めて15年、整備士時代のお客様は今でも農園を訪れてくれることがあるそうだ。

最後にこんなことをおっしゃっていた。
「顔の見える野菜はおもしろい」

 

取材を終えて

頂いたブロッコリーを、電子レンジで温めて食べるのが栄養価が損なわれずによいと、森さんに教えてもらった方法で早速頂いた。生産者を知っている、それだけで倍おいしく感じたと同時に地元に対する愛着もわいた。生産者を知ることがこれだけ食を楽しくさせるとは思わなかった。「顔の見える野菜はおもしろい」ことを実感することができた。また、農園内の小屋で野菜の直売を行っている。
スーパーなどでは値段を見ると、地元産の野菜をあえて買おうとする人は少ないかもしれない。しかし生産者を直接訪問し、こだわりを目と耳で確かめればきっと考えも変わるだろう。消費者が地産地消を意識できるきっかけは生産者訪問にあるのではないかと今回のインタビューを通して感じた。

参考URL
エコファーマー制度の概要 http://www.pref.shiga.lg.jp/g/nosan/kankyohozen/ecofarmer-gaiyou.html
環境こだわり農産物認証制度 http://www.pref.shiga.lg.jp/g/kodawari/kodawari/ninshou.html

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